「オードリー・タン 自由への手紙」を読んで。

ジェンダー

「オードリー・タン 自由への手紙」を読みました。

本の概要

常識・ジェンダー・家族制度・格差・お金・仕事…。誰かが決めた「正しさ」には、もう、合わせなくていい。台湾の最年少デジタル大臣が日本の若き世代に贈る、あなたが新しい社会をつくるための17通の手紙。

のこ
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本屋さんの「ジェンダー」コーナーに置かれていたので、興味が湧いて購入してみました。

オードリー・タンについて

唐鳳。台湾デジタル担当政務委員大臣(閣僚)。1981年、台湾・台北市にて新聞社勤務の両親のもとに生まれる。8歳から独学でプログラミングを学び、小学4年生で6年生の学習課程を修了。14歳で中学を自主退学。15歳でプログラマーとして仕事をはじめ、16歳で台湾のIT企業の共同経営者となり、19歳にしてシリコンバレーで起業。24歳でプログラミング言語Per16開発に貢献。トランスジェンダーであることを公表。27歳にしてシリコンバレーのSocialtext社創業メンバーとなり、台北でリモートワーク。33歳でSocialtext社を売却、ビジネスの世界から引退する。その後、顧問を務めていたAppleで人工知能Siriのプロジェクトに加わる。35歳という史上最年少の若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。2019台湾のコロナ対応では、薬局など各販売店のマスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を導入。アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』のグローバル思想家100人に選出されている。現在も自由な発想で台湾のデジタル化に尽力している。

のこ
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「類稀なる才能を世の中のために生かしてくれている天才」ですね。

本の目次

Chapter0 日本の未来を担う若者たちへ
Chapter1 格差から自由になる
Chapter2 デフォルトから自由になる
Chapter3 ジェンダーから自由になる
Chapter4 仕事から自由になる
Chapter5 年齢から自由になる

感想

こんな頼りになる、後をついて行きたくなる政治家が自国にいることが羨ましく感じました。

コロナ渦での台湾の素晴らしい対応はニュースで知っていましたが、そういう成果がどういったマインドからが生まれてくるのかが分かりました。

デジタルやAIの分野の内容は難しくて正直理解できないところもありましたが、オードリー・タンさんの未来への前向きな行動は伝わりました。

のこ
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手元に持っておきたい一冊です。

印象に残った言葉

格差問題が拡大し、人々が諦めてしまう状況から抜け出すには、どうしたらいいのでしょう? 私は、まずは「問いかけ」から始めるのがいいと考えています。

常になぜ?を問いかけて、疑問に思うことがあれば発信する。
怒りを声を上げることで問題解決の一歩となるのだと感じた一節。

 

学びとは山登りのようなもの

自分のペースで楽しみながら生涯にわたって学び続けよう。
つまづいた時はこの一節を読み返したいです。

 

ピンクがヒーローの色になる

コロナ予防策として国民にマスクを配布したところ、配布されたマスクがピンク色だから「ピンク色のマスクなんて学校につけていったらイジメられる」という少年家族の訴えがありました。そこで、国の会見でピンクの医療用マスクをつけてカメラの前に立ち続け、ピンク色のマスク=感染予防のヒーローのイメージを浸透させ、嫌がっていた少年がマスクをつけられたという出来事。

国民一人一人の意見に耳を傾け実際に解決へと導く手腕が現れている出来事だと思いました。

 

結婚は個人と個人のものであり、それぞれの家族は関係ない。

これは台湾の同性婚に関する記述にあった一文です。

台湾にも日本と同じ「父系社会」の伝統があり、「先祖や家族を守る永続的結婚が大切」だとか「それぞれの親族も姻戚関係になるのが当たり前」という考え方がある一方で、「同性婚は個人と個人の関係であるなら、社会的脅威にならない」と見なされたという事実が驚きでした。

日本ではまだまだ「伝統的な家族の形を壊す」だとか、「少子高齢化が加速する」だとかいう理由で一向に認められそうにありませんが、台湾では結婚の柔軟なあり方が受け入れられていることに感銘を受けました。

 

香港の運動スローガン「水になれ」リーダーは一人ではない、何千何万人の人がそれぞれリーダーになりうる、

いかに優れていようと、いかにカリスマであろうと、「たった一人のリーダー」よりも大勢の一人一人の力が重要。

この言葉を、誰よりも優れていて、誰よりもカリスマなオードリー・タンが言うからこそ重みがある言葉だと感じました。

 

一枚岩より大まかな合意を

共存できる方法として、
単一のルール、単一の文化、単一の価値観といった「一枚岩」で完全に統制された、いわば完璧な一体感を目指し、異なる人々を除外するよりも、
大まかな合意で進んでいけば、より多くの人と共存でき、より多様性のある文化を実現することができる。

この考え方がすごく好きだと思いました。
なんども読み返して考えたい一節です。

まとめ

オードリー・タンという人の魅力と、より良い社会への考え方、姿勢、行動を知れました。

細かい部分は理解できなくとも、前向きに頑張ろうと思える本でした。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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